モンテッソーリ教育とは?内容や考え方・メリットを徹底解説!

「モンテッソーリ教育」という言葉を聞いたことがありますか。

言葉は知っているけど詳しく知らないという人も多いでしょう。
モンテッソーリ教育を受けていた有名人も多く、将棋の藤井聡太先生もその1人です。

モンテッソーリ教育が気になっているけどよくわからない…
・自分の子どもに受けさせて失敗しないか心配…

そんな悩みを解決するため、この記事では、モンテッソーリ教育の考え方特徴内容メリット/デメリットなどについて詳しく解説していきます。

モンテッソーリ教育とは

モンテッソーリ教育とは、マリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法のことです。

もとは知的障害児の教育を目的として開発され、貧困層の健常児向けの教育法として完成されました。
その後、知的障害児だけでなくすべてのお子さんに効果的と判断され、とり入れられるようになりました。

モンテッソーリ教育法は子どもたちを身体面、社会面、情緒面、認知面で発達させることを目指しており、現在ではモンテッソーリ教育を実施している国は140か国以上にもなります。

(参考)Wikipedia – モンテッソーリ教育

モンテッソーリ教育の目的

モンテッソーリ教育で目指す子ども像は、「自立・能力・責任感・思いやりを兼ね備えた、生涯学び続ける姿勢を持った人間」です。

生涯学び続ける姿勢を持ったお子さんを育てる

モンテッソーリ教育では、お子さんは「自己教育力」つまり「自分で自分を育てる力」を持っていると考えられています。

「自己教育力」を存分に発揮できる「環境」「方法」で行われるのがモンテッソーリ教育です。

そのため、お子さんの自主性を大切に、自ら「教具」を学び、「お仕事」をすることを重要視しています。

「教具」「お仕事」については、後ほどの説明をご参照ください。

モンテッソーリ教育の3つの特徴

モンテッソーリには以下のような3つの特徴があります。

年齢に合わせた教育

モンテッソーリ教育は、0〜3歳の「前期」と、3〜6歳の「後期」に分かれています。

0〜3歳は、無意識に吸収する時期です。
吸収力が強いこの時期は、「立つ」「歩く」などの動作や言語などを含め、多くのことを無意識的に吸収し、人間社会に適応していけるでしょう。

3〜6歳は、意識が芽生える時期です。
それまでに無意識に吸収したものを、意識的に整理し、秩序立てることができるようになります。

モンテッソーリ教育では、お子さんのこのような発達を考慮し、段階に合わせた教育を展開します

「お仕事」

モンテッソーリ教育には、「お仕事」と称される5分野教育があります。

5分野は以下の通りです。

1:日常生活の練習
2:感覚教育
3:言語教育
4:算数教育
5:文化教育

「やりなさい」と強制するのではなく、「やってみたい」と思わせる環境作りが大切です。

それぞれの分野については下で詳しくご説明します。

「教具」の使用

「教具」とは、お子さんが「お仕事」を行うためのアイテムのことです。
好奇心や興味を引き出して、自主的に「お仕事」をする手助けをする役割があります。

教具には、以下のようなものがあります。

モンテッソーリ教育の5つの「お仕事」

モンテッソーリ教育の5つの「お仕事」について詳しく解説していきます。

1:日常生活の練習

日常生活の練習は、5つのお仕事の中で最も基礎的な学習です。
日常的な動作から、料理洗濯などの家事の練習を行います。

目的は、指先の巧緻性や身体機能の向上です。

具体的には以下のようなものがあります。

・コップに水をそそぐ
・ボタンをかける
・机を拭く
・手を丁寧に洗う

日常生活の練習に使うものは、基本的には本物です。

コップもプラスチックなどではなく、落とせば割れるものを使用します。
これは、本物を使用することで、優しく扱うことの大切さを学ぶことが目的です。

お花も生花を使い、大切にお世話をしなければ枯れることを学ばせます。

2:感覚教育

感覚教育は、言語・算数・文化教育の基礎と位置付けられており、感覚器官を意識的に使って行います。

目的は、「長い・短い」「高い・低い」「思い・軽い」などの知性や情緒の発達です。

具体的には以下のようなものがあります。

・音の高低を認識するためにベルを鳴らす
・色の濃淡を把握するためにカードを並べる
・「円柱さし」という教育で穴に合う円柱をさしていく

感覚教育に用いる教具には「対にする(高い⇔低い)」「段階づけ(グラデーション)」「分類(甘い・辛い・酸っぱいなど)」の3つの操作が組み込まれています。

3:言語教育

言語教育は、小学校の国語的な分野で、発達段階に応じた「話す」「聞く」「読む」「書く」ステップ学習です。

目的は、語彙を増やし、「て・に・を・は」の接続詞などを含んだ文法を学ぶことです。

具体的には以下のようなものがあります。

・しりとりなどの言葉遊び
・ドリル形式の問題演習

4:算数教育

算数教育では、初歩的な数学に触れます。
「2:感覚教育」で磨いた、長さ・重さなどの感覚を、定量的に捉えるようになるでしょう。

目的は、数の概念や単位、簡単な計算を学ぶこと、計算の過程で抽象的・論理的思考を身につけることです。

具体的には以下のようなものがあります。

・ビーズなどでものごとの単位を学ぶ
・数合わせのパズル

教具で遊んでいるうちに2〜3桁の数字にも触れていきます。
これは、幼児期にしてはかなり早いです。

5:文化教育

文化教育は、小学校の理科・社会に該当する分野で、地理や歴史、動植物や伝統などに触れます。

目的は、世界の文化に興味・関心を持つことです。

具体的には以下のようなものがあります。

・地球儀や世界地図のパズル
・時計をよむ

モンテッソーリ教育のメリット

モンテッソーリ教育のメリットにはどんなものがあるのでしょうか。

ここでは、4つのメリットをご紹介します。

①個性が伸びる

モンテッソーリ教育は、自主性に訴える教育法であるため、自分のやりたいことを自由に追求することができます。

それにより、個々の興味や得意分野を伸ばしやすいです。
幼少期のうちから自分の興味を追求することで、他の同世代と差をつけて、将来活躍できるかもしれませんね。

あの藤井聡太先生も、5歳のときに将棋を始めたようです。
幼少期の興味関心は非常に大切だと言えるでしょう。

②自主性が身につく

モンテッソーリ教育では、自分の意志に従って主体的な学びが尊重されます。
それにより、強制や指示のない環境で自ら考えることを覚え、自主性が育まれます。

自主的に考えて行動することができるため、リーダーシップを持った人になりやすいでしょう。

実際、アメリカのオバマ元大統領や、Google、Amazon、MicrosoftやFacebookの創設者たちなど、モンテッソーリ教育で育ったと言われる世界のリーダーは多いです。

③集中力が鍛えられる

興味を持ったお仕事に取り組むことで、集中力が磨かれます。

たとえ途中で失敗しても、すぐに大人が手を貸すことはありません。
自分の力で、集中してやり遂げる力が身につくでしょう。

集中力は、受験勉強日々の学習将来の職業など、何をするにも求められる、非常に重要な能力です。
幼少期のうちに養っておくと、大きなアドバンテージになるかもしれません。

④情緒が安定した子に育つ

やりたいことができない・見つからないストレスや、強制や指示をされるストレスは、お子さんの落ち着きを損なう原因になります。

しかし、モンテッソーリ教育では、お子さんの意思が尊重されるため、やりたいことを自由にできます
それにより心に余裕が生まれ、落ち着きのある子になりやすいでしょう。

また、他のお子さんと比較されたりしないので、のびのび学べるのもメリットです。

モンテッソーリ教育の懸念点

一方で、モンテッソーリ教育ならではの懸念点もあります。

①協調性は身につきづらい

モンテッソーリ教育では、個人の興味や意志が尊重される代わりに、他のお子さんと協力する機会は少ないと言われています。

お子さんの自主性と協調性のバランスは難しい問題です。
自主性を最大限尊重した上で、どのように協調性を育むかが課題になるでしょう。

②集団行動が考慮されていない

モンテッソーリ教育は自由な環境で行われるため、大勢で統制される状況についてはあまり触れられていません

幼少期に、大勢の中に身をおく経験が少なくなるため、集団行動で統制される状況で戸惑ってしまう可能性も考えられます。

③運動不足になりがち

基本的に屋内を中心にお仕事を行うため、運動能力が伸びづらいと言う意見もあります。
また、活発なお子さんは、屋内で行うお仕事に物足りなさを感じることもあるでしょう。

モンテッソーリ教育の良い面を吸収しながら、屋外でも遊ぶなどバランスよく活動することが重要です。

モンテッソーリ教育を受けられる施設

モンテッソーリ教育を導入している施設、保育園、幼稚園や小学校は、日本全国に多数存在します。

モンテッソーリ教育を導入している施設には、「子どもの家」という名前をつけているところが多いです。

子どもの家の施設の形態は、幼稚園や保育園、習い事としての教室など、様々です。
これは、考案者マリア・モンテッソーリが設立した保育施設「子どもの家」から来ています。

まとめ

今回はモンテッソーリ教育の概要や特徴、メリット・デメリットを解説しました。

モンテッソーリ教育とは、お子さんの自主性を重要視する教育法のことです。
「教具」を使って「お仕事」を行う中で、様々な能力を身につけます。

モンテッソーリ教育には、個性や自主性、集中力が伸びるなどのメリットがあります。
一方、デメリットとして、協調性が身につきづらく集団行動が苦手になりかねなかったり、運動不足になったりという懸念点もあげられます。

モンテッソーリ教育を受けられる施設は日本全国に多数存在します。

ご家庭の教育方針や、モンテッソーリ教育のメリット・デメリットを考慮して、お子さんに導入するか検討してみてください。

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たむろぐ編集部

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