同志社国際学院初等部は、小中高一貫教育を展開する私立小学校です。
同志社国際学院初等部では、キリスト教の精神を元にしたバイリンガル教育が行われています。
コミュニケーション能力や国際感覚を育みながら「探究の単元」で創造性や思考力の向上を目指しています。
同志社国際学院初等部からは系列校である4つの中学・高等学校に内部進学できます。また、各高等学校には、同志社大学・同志社女子大学への内部推薦制度もあります。
この記事では、同志社国際学院初等部の教育方針・校風・学校生活・進学情報・学費などについて、同校の入試に強いTAMが詳しく解説していきます。
同志社国際学院初等部の基本情報
■住所
〒619-0225 京都府木津川市木津川台7丁目31−1
TEL:0774-71-0810
FAX:0774-71-0815
HP:同志社国際学院初等部 (doshisha.ac.jp)
交通情報
- 近鉄山田川駅より徒歩で約15分
- 近鉄学研奈良登美ヶ丘駅からバスで約20分
- JR祝園駅/近鉄新祝園駅からバスで約10分
※近鉄学研奈良登美ケ丘駅およびJR祝園駅/近鉄新祝園駅と学校を結ぶ直通路線バスが運行されています。
基本情報
経営 | 学校法人同志社 |
共学・男女別 | 共学 |
生徒数 | 1学年60人(30人×2クラス) |
制服 | なし(体操服は指定) |
給食 | なし(ランチ購入可) |
教育理念・教育方針
同志社国際学院初等部では、他の同志社系学校と同様に「良心」を大切にした教育理念を掲げています。この教育理念は、建学者の新島襄氏が「本当にえらい人物とは、謙虚であり、規則にとらわれず、内なる声としての”良心”に従って行動するものである」と気づいたことがルーツです。
同志社国際学院初等部は、文部科学省から指定を受けている「教育課程特例校」です。実際に、授業の半分を英語で行い、日英バイリンガル教育を実施しています。
教育課程特例校とは? 文部科学省から許可の下りた特定の学校だけ規制外の制度が認められる仕組みで、教育の充実を図るねらいがあります。
また、同志社国際学院初等部は国際バカロレア機構(IBO)の西日本初の認定校でもあります。国際バカロレア機構とは、多様性を尊重し、より平和な世界を築くことに貢献できる若者育成を目指す団体です。国際バカロレア(IB)と呼ばれる教育プログラムは、世界中のインターナショナルスクールで導入されています。
校風
同志社国際学院初等部にはコミュニケーション能力の高いお子さんが多い印象です。多様性を受け入れる文化が培われており、先生と生徒間の意見交換も盛んです。そのような環境のため、自分の意見を主張することや、失敗を恐れずチャレンジする精神を養えるといえるでしょう。
また、帰国子女のお子さんも多いそうで、国際色豊かな小学校といえます。日本に居ながらグローバルに近い環境でお子さんを育めるため、国際教育に触れさせたいと考えるご家庭にとって、とても良い環境だと言えるでしょう。
同志社国際学院初等部の授業カリキュラム
同志社国際学院初等部では、キリスト教教育・探究の単元・バイリンガル教育を三本柱として教育を行っています。
キリスト教 教育
同志社大学の創立者である新島襄氏の思想を受け継ぎ、キリスト教の教えを大事にしています。
毎日の礼拝や週に一度の宗教の授業、年間を通しての宗教行事が特徴的です。
それらの行事を通して、お子さんたちは「いかに生きるべきか」「愛の大切さ」などを学びます。
奥深いテーマに日々向き合うことで、人間として大切な心も育んでいけるでしょう。
探究の単元
探究の単元(UOI)とは、お子さんたちが感じた疑問を自ら探究する授業のことです。教科の枠を超えて、1年間に6つのテーマに沿って探究します。与えられたテーマを、様々な教科の観点から捉え、考察して行くのが探究の単元の特徴です。
一例として、「Who we are(私たちは誰なのか)」というテーマで、アイデンティティについて考える授業があります。
例えば、「Who we are(私たちは誰なのか)」というテーマについて、「にほんご」の観点から考える授業。金子みすゞさんの詩を読み、作者が人間をどのような存在と捉えているかを考えます。
「体育」の観点では、自分たちの体がどのように動いているのかを知り、心身が深く関わりあっていることを理解していきます。
このように、1つのテーマについて様々な観点から考えることで、広い視野と自由な発想を育むのです。
さらに、学んだことを発表したり実生活へ応用したりする機会があります。具体的には、考えたことを工作で創造したり、フィールドワークを積極的に行ったりします。そのため、学習が単なる知識の吸収にとどまらず、どのように役立てられるかという目的意識を持って勉強する習慣が身に着くのです。
6年間の教育を通して、多面的視点やプレゼン能力、実践的思考といった次世代に求められる能力が自然と身につく仕組みが整っています。
6年生の大きな目標の一つにあるのは、日英両言語での発表会。
これは「エキシビション」と呼ばれ、お子さんたちが6年間取り組んできた探究型学習の成果を発表する場になります。
発表するトピックの選択から、本やインターネットを使って情報収集、さらには、伝えたい内容やポスター作成まで全てお子さんたち自身の力で行います。先生にフィードバックを求めながら、より良い発表になるよう練習を繰り返します。
実際の発表会の様子です(同志社国際学院初等部 公式サイト掲載)
小学生とは思えないほどのクオリティの高さですよね。「クイズ」といった身近な事柄から「LGBT」といった社会的な問題まで、お子さんたちが発表しています。
等身大の姿で身振り手振りを使って発表する様子からは、テーマに対する熱意が伝わってきますね。
バイリンガル教育
同志社国際学院初等部のバイリンガル教育には、2つの特徴があります。
1つ目の特徴は、授業の半分以上を英語で行っていることです。
授業の半分以上を英語で行う目的は、世界を知るための手段としての英語を習得することです。テストで点を取るためや資格を取るために英語を勉強するのではありません。英語を活用し、世界中の人とコミュニケーションを取ったり、日本語だけでは学習不可能な分野を学んだりするために英語を勉強することができます。
低学年では、スピーキングやリスニング、リーディング、ライティング、フォニックス(発音と綴りの関係性)といった基本的な英語の学習を行います。高学年になると、低学年で身に着けた英語を使って、様々な分野のテーマや各教科の内容を勉強します。
もう1つの特徴は、世界中の様々な国から先生を集めていることです。
お子さんたちは、世界中からやってきた先生と交流し、世界中の文化を先生から直接吸収できます。また、他のお子さんたちも、帰国子女のお子さんが多く、自分とは異なるバックグラウンドを持つ友達ができることでしょう。
このような環境は、同志社国際学院初等部ならではの特徴です。
授業の難易度
「授業の半分以上が英語で行われる」と聞くと、「うちの子は授業についていけるのだろうか」と不安になる方も多いかもしれませんね。
同志社国際学院初等部には、様々なバックグラウンドを持つお子さんたちが授業についていけるような仕組みがあります。
入学前に英語の習熟度を測るテストが行われ、習熟度に合わせたクラス分けを行います。
入学までに英語に触れてこなかったお子さんは、1、2年間かけて英語の読み書きや授業内で頻出の言い回しを習得可能です。
一人一人の習熟度に合わせた学習方法と到達目標を設定し、無理なく英語に触れられるようになっています。
入学時まで全く英語が分からなかったお子さんが、入学してから1、2年後には、英語で授業を受けれるほどにまで成長することも珍しくありません。
このようにお子さんの成長を支える仕組みが、同志社国際学院初等部には備わっています。
ICT環境
同志社国際学院初等部では、全教室にプロジェクターが完備されています。
さらに、2年生以上は一人一台の自分専用のiPadを所持するなど、ICT環境も充実しています。
同志社国際学院初等部の年間行事
宿泊体験学習
同志社国際学院初等部では、1年生から6年生まで、毎年宿泊学習を行います。
家族と離れて一晩過ごすことで、自立への精神を育む狙いがあります。
他のお子さんたちと協力し、他者への思いやりや、自分で考えて動く力を身につけます。
仲の良い友達と慣れない土地で様々な活動に取り組み、生活を共にする経験は、きっと一生の思い出となることでしょう。
宗教行事
同志社国際学院初等部では、キリスト教校ならではの行事がたくさんあります。
中でも、3年生が中心となって舞台で演劇をする「クリスマスページェント」が特徴的です。
舞台上に立って演技をする役割だけでなく、舞台裏から演劇を支えたり舞台上で使用する衣装や小道具を用意したりと様々な役割があります。3年生が一丸となり、素晴らしい舞台を完成させるのです。
同志社国際学院初等部の進学情報
内部進学
同志社国際学院初等部は、本人・保護者の希望に基づいて同志社国際中学校、同志社中学校、同志社香里中学校、同志社女子中学校へ推薦で進学できます。
各系列中学校・高等学校の進学実績
同志社法人内の中学校は全て中高一貫教育を展開しており、中学校卒業後はそれぞれの高校へ内部進学します。
加えて各校には、同志社大学と同志社女子大学へ内部推薦で進学できる制度があります。
進学率としては、どの高校も約90%ほどです。
同志社系列の中学・高等学校にはそれぞれ以下のような特徴があります。
- 同志社中学校・高等学校:生徒の自主性を重んじる
- 同志社香里中学校・高等学校:生徒の自立心を育てる
- 同志社女子中学校・高等学校:英数理科に特化したコースがある
- 同志社国際中学校・高等学校:国際交流や留学制度が充実している
同志社国際学院初等部の学費
初年度にかかる学費は、入試検定料含め1,662,500円です。
「その他費用」は、保護者後援会費、災害備蓄品費、宿泊行事積立金などです。
在学期間中に授業料、教育充実費、その他必要な費用に変更があった場合は、新たに定められた金額を納入となります。
まとめ
- 同志社国際学院初等部では、良心を大切にした教育理念から、キリスト教に基づいた教育で人間としての心を育てることにも重点を置いています。
- 授業の半分以上を英語で行うバイリンガル教育で、世界を知るための手段としての英語を身につけられるでしょう。低学年時には、英語の基礎を身につける授業が行われるほか、習熟度に合わせたクラス分けが行われます。
入学前から英語を完璧に話せる必要はありませんのでご安心ください。
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