福岡教育大学附属福岡小学校は、福岡県の国立小学校です。
国立大学福岡教育大学の附属小学校として1875年に設立され、歴史と伝統があります。
しかし、実施されている教育は最新の内容のものが多く、実験的に最新のカリキュラムが導入されています。
また、通常学級だけでなく、特別支援学級と帰国子女学級が併設されています。
各学級間の交流も盛んで、多様性に溢れています。
当記事では、そんな福岡教育大学附属福岡小学校の学校生活から入試対策まで、私立小学校入試に実績のあるTAMが解説していきます。
福岡教育大学附属福岡小学校の基本情報
■住所
〒810-0061
福岡県福岡市中央区西公園12-1
TEL:092-741-4731
FAX:092-722-2553
公式サイト:福岡教育大学附属福岡小学校
交通情報
- 地下鉄空港線「唐人町」駅、または、「大濠公園」駅より、徒歩15分
- 西鉄バス「伊崎」駅、「唐人町三丁目」駅より、徒歩5分
- 西鉄バス「若葉高校前」駅より徒歩8分
基本情報
経営 | 国立大学 福岡教育大学 |
共学・男女別 | 共学 |
生徒数 | 1学年約70名 |
制服 | あり |
給食 | あり |
制服
- 冬服
男子は黒の詰襟に黒の半ズボンで、女子はえんじ色のスカーフを巻いた黒のセーラー服に黒のスカートです。
- 合服
男子は白のカッターシャツに冬服と同じ黒の半ズボンで、女子は白のブラウスに黒の吊りスカートです。
- 夏服
男子は白の開襟のシャツにグレーの半ズボンで、女子は白地に水色の半袖セーラー服に水色のスカートです。
教育理念・教育方針
福岡教育大学附属福岡小学校の校訓は「深固」です。
この言葉には、「努力精進を求めて、基礎や根本をしっかり固めれば、やがて成就する」という意味があります。
また、福岡教育大学附属福岡小学校は、教育目標として掲げているのは「未来社会を創造する主体の育成」です。
この教育目標を達成するために、「省察性」、「協働性」、「創造性」という3つの資質・能力を獲得するのを目指しています。
さらに、この3つの資質・能力を育成するためには、「志・絆・創」が重要であるとしてます。
<省察性ー志>
自らの行いを振り返り、さらに良い自分を求める能力である「省察性」を育成するためには、「志」が必要です。
自ら目標を立てて実行する主体的・自律的活動が重視されています。
<協働性ー絆>
自分の役割を果たしながら、多様性のある他者とより良い関係を築く能力である「協働性」を育成するためには、「絆」が重要です。
友達や親子など、さまざまな「つながり」を豊かにする活動が大切にされています
<創造性ー創>
さまざまな情報を結びつけて、新たな考えを生み出す能力である「創造性」を育成するために、「創」が重視されています。
自分の身体・言葉などを駆使して、自分の考えや思いを表現する活動が必要不可欠です。
福岡教育大学附属福岡小学校のカリキュラム
独自のカリキュラム
福岡教育大学附属福岡小学校は文部科学省の「研究開発学校」に指定されています。
そのため、未来の学習指導要領を決めるために、先進的な教育を実験的に導入可能です。
お子さんが将来必要になるであろう能力・資質を育成するために、現在の教育課程にとらわれない独自のカリキュラムで教育しています。
教育実習
福岡教育大学附属福岡小学校は、福岡教育大学の附属小学校です。
福岡教育大学は教員を養成するための大学で、多くの学生が授業の中で教育実習をしなければなりません。
そのため、福岡教育大学の学生が小学校で教育実習を行いに来ることがよくあります。
教育実習制度は、お子さんと実習生がお互いに成長できる良い機会です。
教育実習をしに来る学生たちは今まで学んできた教育を実践できます。
お子さんは自分たちと比較的年齢の近い教育実習生と接して視野を広げられます。
専科制
学級担任がクラスの運営を担当し、教科担任が教科の運営を担当するという形で、教師間で役割を分担しています。
この専科制によって、お子さんは専門の教師からより質が高い授業と、きめ細かい指導を受けられます。
また、学級担任もクラスの運営に集中できるため、一人ひとりに寄り添うことが可能です。
インクルーシブ教育
福岡教育大学附属福岡小学校には、障碍をもったお子さんのための特別支援学級が設置されています。
特別支援学級では、自発性・自己発揮性・成就性といった能力の育成を目指して、一人ひとりのお子さんに合った教育が実施されています。
文部科学省のインクルーシブ教育システムモデル事業の研究実績に基づいた教育で、通常学級のお子さんと交流する機会が多いです。
特別支援学級のお子さん、通常学級のお子さんの両方にとって良い刺激となっており、多様性を意識する良いきっかけとなっています。
グローバル教育
福岡教育大学附属福岡小学校には、帰国子女学級があります。
帰国子女学級で重視されているのは、海外の生活や学習経験、能力に応じたカリキュラムが編成されており、個々の経験と個性を伸ばす教育です。
例えば、個別指導やチーム・ティーチングなどが行われています。
さらに、海外生活で培った国際感覚や異文化交流体験を活かした「人間科」という授業や、海外での語学経験を活かした「言葉科」という授業も実施されています。
帰国子女のお子さんと通常学級のお子さんと交流する場面は多いです。
海外経験のある同世代のお子さんと関われるという特性を活かしたグローバル教育が行われています。
また、英語教育は全学年・学級で実施されています。
福岡教育大学附属福岡小学校の学校生活
福岡教育大学附属福岡小学校の年間行事
安全管理
子どもたちの安全管理を図るために、お子さんが正門を通過したときに、保護者の方にメールが届くシステムが導入されています。
他にも、最寄り駅まで教員が引率する下校と、お子さんたち自信で帰る下校を使い分けたり、保護者の方の中で当番を決めて朝の交通指導を行ったりして、お子さんの安全を最大限確保しています。
福岡教育大学附属福岡小学校の進学情報
内部進学について
福岡教育大学附属福岡小学校は、国立大学 福岡教育大学が運営しており、多くが附属の福岡教育大学附属福岡中学校に進学します。
しかし、毎年、中学受験をして久留米大学附設中学校やラ・サール中学校、福岡大学附属大濠中学校などの有名私立中学校に進学する方もいます。
福岡教育大学附属福岡中学校は進学校です。
公立であれば修猷館高校などのトップの高校に進学したり、私立であれば福岡大学附属大濠高校や久留米附設高校、早稲田佐賀高校、ラ・サール高校など九州のトップ高校に進学するお子さんが多いです。
また、灘高校の合格者も輩出しています。
福岡教育大学附属福岡中学校の高校合格状況は以下の表の通りです。
福岡 | 修猷館 | 筑紫丘 |
福大大濠 | 久留米附設 | 西南学院 |
早稲田佐賀 | 長崎青雲 | 弘学館 |
ラ・サール | 西大和学園 | 灘 |
福岡教育大学附属福岡小学校の学費
福岡教育大学附属福岡小学校は国立小学校なため、初年度にかかる特別な費用は0円です。
ただし、公立小学校と同様に、教材費や給食代、制服代などの諸費用がかかります。
福岡教育大学附属福岡小学校の入試を徹底対策!
ここからは、福岡教育大学附属福岡小学校の入試情報について解説していきます。
実際に過去問題集を確認しての気づきや要点をまとめていますので、福岡教育大学附属福岡小学校の受験を検討している方はぜひご覧ください。
また、福岡教育大学附属福岡小学校の入試の概要は、入試要項で確認できます。
公式サイトにてチェックしてみてください。
福岡教育大学附属福岡小学校の入試情報
共通試験
福岡教育大学附属福岡小学校、福岡教育大学附属久留米小学校、福岡教育大学附属小倉小学校の試験は、同日同時刻に同じ内容の試験が行われます。
同系列の附属小学校が共通の試験を実施するというのは、全国的に見ても非常に珍しい形式です。
入試日程
福岡教育大学附属小学校の入試は、1次試験と2次試験に分かれており、2次試験は抽選です。
福岡教育大学附属福岡小学校では例年、以下のような日程で入試が行われています。
出願期間 | 12月上旬 願書受付 |
1次試験 | 1月中旬 |
2次試験 | 1月下旬 |
合否通知 | 1月下旬 発表 |
定員・倍率
福岡教育大学附属福岡小学校の定員は男女合わせて約70名です。
倍率は非公開となっているため、具体的な数値は不明です。
しかし、附属幼稚園から内部進学するお子さんもいるため、外部から受験するお子さんの倍率はかなり高いでしょう。
入試の概要について
2次試験の内容は1次試験合格者からの抽選なため、対策が可能な1次試験にしぼって解説をします。
福岡教育大学附属福岡小学校の1次試験は、「ペーパーテスト」「集団行動」「行動観察」「口頭試問」「絵画」によって構成されています。
以下で詳しい内容を解説していきます。
ペーパーテスト
「図形・数量」から出題されることが多く、「言語」からも出題されます。
福岡教育大学附属小学校ではペーパーテストが占める割合は少ないですが、対策した分だけ伸びる分野です。
過去問なども利用して、入念に対策して挑みましょう。
数量・図形
「数える」「探す」といったお子さんの忍耐力・集中力が問われる問題が多いです。
昨年度は、以下のような問が出題されました。
- 3つの絵の中で数が違うものを選びなさい
- いくつかの形が重なっている中で、下から2番目にある形を選びなさい
数の概念に対する理解や、空間認知能力が必要です。
ペーパーテストの演習量を増やすだけでなく、内容理解や論理的思考力など基礎基本の能力を身につけるのが重要です。
基礎基本を身につけた上でペーパーの学習をしましょう。
言語
例年、音の位置を聞く問題が出題されています。
昨年度は、「絵の〇番目の音と同じ音で始まる絵を選びなさい」といった問題が出題されました。
小学校受験では標準的な問題です。
日ごろからものの名前を教えるなどして、お子さんの語彙力を増やしてあげると良いでしょう。
集団行動
昨年度は8人ほどのグループになり、「おはじき」や「順番に好きな遊びを言っていく」といった課題が課されました。
「ルールを守っているか」、「失敗したときの態度」、「指示をしっかりと聞いているか」、「他のお子さんとの協調性」などの点が評価されています。
また、試験開始時・終了時の挨拶や片付けをちゃんとしているかといった点も重要です。
こうした点はすぐに対策できません。
日ごろからコツコツとしつけを行うのが重要です。
特に集団行動はいつも昼ご飯の前に出題されるため、お子さんの集中力が切れやすく、「素」が出てしまいます。
まさにお子さんの普段の態度を評価しているのでしょう。
行動観察
行動観察では、ただ体育館前方に設置された椅子に座って昼食を食べるという課題が課されます。
お子さんがどうやって昼食を食べるのかという点が評価されています。
昼食の時間は、お子さんだけで過ごすため、素が出やすいです。
食べ方、姿勢、態度、「残していないか」、「時間ギリギリまで食べていないか」などの点が見られています。
普段から食事のマナーを教えるだけでなく、試験に持っていく昼食の量は適度にしておくと良いでしょう。
また、好き嫌いが激しいお子さんの場合は、食べ残しを避けるために嫌いなものを入れないようにしてください。
口頭試問
「朝ごはんは何を食べましたか」や「今日は何に乗ってきましたか」のように日常生活についてお子さんに聞く質問と、試験官が見せた絵についてお子さんに聞く質問が出題されます。
日常生活について聞く質問は、面接としての役割を果たしています。
問題への回答だけでなく、全体的なお子さんの対応が評価されているという点に注意が必要です。
「ご家庭がきちんとしているか」「自己中心的な行動をする家庭ではないか」などの点を、お子さんへの質問を通して見ています。
2つ目の質問では、昨年度は部屋が散らかっている絵を見せて「どこを片付けるか」や「どうやって片付けるか」といった質問が聞かれました。
質問に対する答えだけでなく、お子さんが答えを出すまでの時間も評価しています。
これは、普段からお子さんが片付けをしているかどうか見るためです。
福岡教育大学附属小学校の入試ではペーパーテスト以外の内容が多く、お子さんがどういった日常生活を送っているかという点が重視されています。
もう一度、お子さんとご家庭の日常生活を見直してみましょう。
絵画
口頭試問の待ち時間を利用して、自由画を書かせる問題が出題されます。
毎年、以下のような問題が出題されています。
- この紙に好きな絵を描いてください。描き終わったら、裏側も使って絵を描いてください。
どんな内容を描いても構いませんが、楽しかったご家族と出かけた思い出や幼稚園の行事など、お子さんが思い出してワクワクするような内容の絵を描くようにしましょう。
アニメーションやキャラクターの絵など、試験に相応しくないような絵は描かないようにしましょう。
まとめ
福岡教育大学附属福岡小学校は、福岡県の国立小学校です。国立大学福岡教育大学の附属小学校として1875年に設立されており歴史が長いです。
しかし、実際に行われている教育の内容は、最先端のものが多く、未来の教育カリキュラムが試験的に導入されています。
また、通常学級、特別支援学級、帰国子女学級の交流が盛んで、多様性に富んだ環境で学習できます。
入学試験の倍率は非公開ですが、非常に人気の小学校です。
倍率が高いと予想できるため、入試対策を怠らないようにしましょう。
入試では、ペーパーテスト・集団行動・行動観察・口頭試問・絵画といった分野の試験が実施されます。
お子さんと協力して対策しておきましょう。
家庭内の対策に不安がある方は、合格実績のある私立小学校専門塾などで対策していきましょう。
苦手に合わせて一単元から対策できますので、ぜひご家庭での対策にご利用ください。
福岡教育大学附属福岡小学校の受験対策ならTAM
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苦手に合わせて一単元から対策できますので、ぜひご家庭での対策にご利用ください。