暁星小学校は、キリスト教の理念に基づいて教育を行う、東京都の私立男子小学校です。1890年に創立されて以来、130年以上の長い伝統を持ちながらも、ICT・外国語教育など最先端の教育も取り入れています。

経営している学校法人暁星学園は幼・小・中・高の一貫教育を重視しており、卒業後は多くの生徒が暁星中学校・高等学校へと進学します。

入学試験は倍率が高く、出題形式や内容も独特なので、合格には独自の対策が不可欠です。

当記事では、そんな暁星小学校の学校生活から入試対策まで、関西圏の私立小学校入試に実績のあるTAMが解説していきます。

暁星小学校の基本情報

■住所
〒102-0071
東京都千代田区富士見1丁目1−13
TEL：03-3261-1510

公式サイト：暁星小学校

交通情報

• 東京メトロ「九段下駅」から徒歩6分
• JR「飯田橋駅」から徒歩5分

基本情報

経営	学校法人 暁星学園
共学・男女別	男子のみ
生徒数	1学年120名
制服	あり
給食	なし

教育理念・教育方針

暁星小学校はキリスト教の理念に基づき、「自分を大切にする」「他者を尊重する」「神を愛する」の3つを教育理念に掲げています。

「自分を大切にする」ー自分の長所や個性を大切にして、能力を伸ばす努力をする
「他者を尊重する」ー人それぞれの考え方や個性を持つ人たちと学び合い、支え合い、育ち合う
「神を愛する」ーキリストの教えである「神と人を愛するのがふさわしい自己実現の道」

これらの理念を根底に、常に変化する社会において、どんな状況でも逞しい「心と体」で生きていく力を身につけることを目指しています。

暁星小学校の授業カリキュラム

科目概要

暁星小学校では、国語・算数・理科・社会の主要4教科、音楽・体育・図工・家庭科の副教科に加えて、「英語」「生活」「宗教」の科目が用意されています。

教育体制としては、教科担任制をとっていて、科目ごとに専門の教員が授業を担当します。
これにより、全ての科目で各教員の専門分野を活かした教育を実現しているようです。

・英語

カトリック小学校用に作成されたテキストを用いて、低学年から英語の授業があります。
TT（チームティーチング）により、低学年で初めて英語に触れる生徒にも丁寧な指導が可能です。

高学年では、低学年で身につけた単語を用いて、英語表現の習得や理解を目指します。

・生活

生活は「自然」「人」「神様」と3つのつながりを柱に、総合的な教育を行う科目です。

花や野菜の栽培、縦割りでのグループ活動などから、カトリック小学校ならではのカリキュラムも用意されています。

・宗教

宗教では、神様、つまりキリストの精神や生き方に対する理解を深め、命や幸せ、人生の目的などについて学びます。

TT（チームティーチング）

英語や音楽の授業では、複数の教員が協力しながら指導するTT制度があります。

教壇で授業を進める教員の他に、席をまわりながら個別に対応する教員がいるので、その場でわからない箇所やつまづいた部分を解決し、より丁寧な指導が実現できます。

ICT教育

学年を問わず一人一台ずつiPadを持ち、学習面はもちろん委員会やクラブ活動にも積極的に活用しています。

IT機器に早くから触れておくことで、今後の社会に順応しやすい環境づくりを目指しています。
ネットリテラシーなどの安全教育も行っていて、トラブルなどに巻き込まれる心配もありません。

フランス語教育

マリア会の建学の精神に基づき、国際教育の一つとして、英語教育に加えてフランス語教育も行っています。

授業は基本的にフランス語のみで進んでいき、英語の授業で学習した内容をフランス語でも学習します。

暁星小学校の学校生活

学年サッカー

週に1回、学年サッカーの時間が設けられています。

低・中学年はクラス対抗戦を行います。高学年は進行・審判も生徒に任せて、フットサル形式の試合を実施します。

また、各学期末には日々技術や戦略など日々の成長を競うサッカー大会が行われます。

クラブ活動・委員会活動

高学年になると、クラブや委員会に所属して自主性や社会性を養います。

所属できるクラブ・委員会は上記の通り多岐にわたるため、お子さんの興味に合わせて選ぶことができますね。

暁星小学校の年間行事

各学期における主な行事は以下の通りです。

1学期

• 入学式
• イースターミサ
• 全校ミサ
• 宿泊合宿
• 水泳実習

2学期

• 水泳大会
• 宿泊合宿
• 全校ミサ
• 運動会
• 創立記念日ミサ
• クリスマスの集い

3学期

• 福者シャミナード記念日
• カトリック連合音楽会（4年生）
• スキー教室（5年生）
• 修学旅行（6年生）
• 卒業式

宿泊合宿

2〜6年生は年に1、2回宿泊合宿を行います。

低学年では、集団生活を楽しみ、高学年では生徒が協力して自ら合宿の運営をしていきます。
大自然の中で共同生活を送ることで精神力や逞しさを培います。

暁星小学校の進学情報

進学先について

基本的には、推薦による暁星中学校への内部進学を前提としています。

また、暁星中学校・高等学校は中高一貫6年制なので、中学校卒業後もそのまま高等学校へ進学する生徒が多いようです。

暁星小学校の学費

初年度にかかる学費は約1,200,000円で、内訳は以下の通りです。

• 入試考査料　25,000円
• 入学金　300,000円
• 授業料　450,000円
• 施設費・維持費　290,000円
• その他の費用　140,000円

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暁星小学校の入試を徹底対策！

ここからは、暁星小学校の入試情報について解説していきます。
実際に過去問題集を確認しての気づきや要点をまとめていますので、暁星小学校の入試を検討している方はぜひご覧ください。

また、暁星小学校では、毎年5月ごろにその年の入学試験の概要が公式ホームページのトップ画面・お知らせにて発表されるようです。5月ごろのホームページは要チェックといえるでしょう。

▶公式サイト：暁星小学校

暁星小学校の入試情報

入試日程

暁星小学校の入学試験は、例年11月の上旬に行われます。
一次試験の合格者のみが二次試験に進むことができます。比較的短期間で試験が行われますので、11月に照準を合わせて対策していくといいでしょう。

定員・倍率

暁星小学校の定員は120名です。
男子小学校のため、男子のみの募集となります。

2023年度入学試験の結果は以下の通りです。

定員	志願者数	倍率
120名	590名	6.9

入試の概要について

暁星小学校の入学試験は、一次試験と二次試験に分かれています。
二次試験は一次試験の合格者のみが受験可能です。
例年、一次試験・二次試験共に倍率は2.5〜3.0となっています。

基本的に一次試験で筆記試験と運動、二次試験で集団テストや保護者面接が課せられていました。
ただし、2021年度以降は新型コロナウイルスの影響により、運動が二次試験に含まれています。

一次試験

一次試験ではペーパーテストと運動テストが行われます。

①ペーパーテスト

「ペーパーテスト」は制限時間が約40分で、大問は7個程度と制限時間の割に多いです。
ほぼ毎年「話の内容理解」「図形」「言語」「記憶」「常識」が出題されています。

問題の難易度はそれほど高くありませんが、一問一問の解答時間はかなり短めなので、もしも間に合わなくても、切り替えて次の問題へ移る練習をしておくことが大切です。

＜話の内容理解　出題例＞
1. 物語を聞いて、内容に該当する絵を選ぶ

話の内容に加えて、心情に関する問いもあり、「相手の気持ちを理解する」という「他者の尊重」を重んじるカトリック小学校ならではの設問構成となっています。

日々の読み聞かせなどから、物語の流れや内容を丁寧に理解し、登場人物の気持ちを考える練習を積んでおくとよいでしょう。

＜図形　出題例＞
1. お題の絵と同じ絵を選ぶ
2. 並んでいる〇や△から法則性を導き、空所に当てはまる図形を選ぶ
3. お題の絵を作るのに必要のないパズルのピースを選ぶ

1．のような「同図形発見」、2．のような「図形系列」、3．のような「図形構成」など様々な形式が問われます。

＜言語　出題例＞
1. 数枚のイラストでしりとりをしたときに、使わないものを選ぶ
2. 数枚のイラストから「名前に『ぱぴぷぺぽ』がつくもの」選ぶ

「しりとり」は頻出なので、他の小学校の過去問なども用いて、色々なタイプのしりとりを練習しておきましょう。
ほかにも濁点（゛）・半濁点（゜）や長音（ー）、拗音（ゃ、ゅ、ょ）、促音（っ）などを扱った問題もあるので、言葉遊びなどを通して、言語に対する理解も深めておけると安心です。

＜記憶　出題例＞
1. 20秒間絵を見て覚え、その絵に関する質問に答える

記憶の問題は毎年出題されています。
絵の内容は物語の一場面だったり、方眼に生き物がならんでいたりと様々です。

練習を重ねて、色々なタイプの絵を覚える経験を積んでおきましょう。

＜常識　出題例＞
1. いかやたこ、オタマジャクシなどの絵から「池や川に住む生き物」を選ぶ
2. 童謡「ぞうさん」を聞いて、歌に出てきた動物を選ぶ

常識問題も様々ですが、日常会話や生活の中で比較的出てきやすいものが問われます。
これらは練習を積むというよりは、親子の会話や遊びの中で知識を増やしていくのがよいでしょう。

②運動テスト

運動テストは指示行動やボール運動、模倣運動などが課されます。

テストの結果はもちろん、順番を待っているときの姿勢や態度も評価の対象です。
必ず順番や待ち方についても説明があるので、しっかりと聞いて忘れないようにしたいです。

＜過去の出題例＞
1. 2本の線（進む用と帰る用）の上を「ケンパー」で進んで帰ってくる、帰るときは進むときよりも早く行う
2. 新聞紙でボールを作る、作ったボールを上に投げて3回手を叩きキャッチする

二次試験

一次試験合格発表の数日後に、一次試験合格者を対象に行われます。
二次試験ではお子さんが集団テストを、保護者が保護者面接を行います。

③集団テスト

集団テストでは、生活課題（手先の巧緻性）や指示制作、行動観察などが課されます。

服の着脱や整理整頓など男の子が苦手としがちな課題も多いので、生活の中で色々なことをお子さん本人にさせているかが問われます。

＜過去の出題例＞
【輪っか作り・輪投げ遊び】
1. 指示通りにセロハンテープで輪っかを作る
2. みんなで輪投げをする順番を決める
3. 順番が来たら輪投げをする

この例では指示制作・行動観察が複合的に課されていました。
事前にセロハンテープを持参するよう指定されていましたが、持参するものは新しいものよりも普段から使い慣れているものを用意しましょう。

また、2．では相談して物事を決めれるか、が問われています。
順番決めであればじゃんけんなどが思いつきやすいと思います。
普段からみんなで相談して何かを決める、という経験を積んでおくとよいでしょう。

3．は輪投げの結果以上に、楽しく遊べるか、目標に向かって一生懸命になれるかが見られています。

このように協調性や規律などを求めている点が、暁星小学校の入試の特徴ともいえるでしょう。

④保護者面接

お子さんの集団テストとは別に、保護者面接があります。
以前はお子さんを含めた三者面接でしたが、2021年度から両親のみの面接となりました。

面接では志望動機や家庭での育て方に加えて、私立校や男子校、カトリック校に通うことや小・中・高一貫教育に対する考え方なども質問されます。

また、

「もしお子さんがICカードで他の子におやつを奢っているとしたら、どうしますか？」

など具体的な状況に関する質問もされるのが特徴的です。
これらを質問への回答を用意しておくのは難しいので、家庭での考え方や育て方の方針をしっかり持っておかないと、その場で対応できません。

後述しますが、試験前にテーマ作文の提出があり、面接官はそれに目を通した上で面接することになります。作文の内容と質問の回答がずれないように、面接前に作文の内容を読み返しておきましょう。

テーマ作文

暁星小学校の入試では、事前にテーマ作文の提出があります。

暁星小学校の教育への理解と、家庭での考え方について、400字程度で記述するものです。

日頃から子育てについて、しっかりと考え、自分なりの言葉で述べる必要があります。

保護者面接はテーマ作文の内容をふまえた上で進んでいくので、提出する前にコピーを取っておいて、面接前に見返せるようにしておくとよいでしょう。

まとめ

暁星小学校は、長い歴史を持ちながら、国際教育やICT教育など最先端の教育を受けられるカトリックの私立男子小学校です。
小・中・高にまたがる一貫教育によって内部進学できる点も特徴の一つです。

生活面では、キリスト教の理念に基づいた教育理念を根底に、変化の激しい社会の中で「心と体」で生きていく力を身につけることを目指しています。

学力だけでなく、定性的な面においても大きな成長を期待できる学校です。

ペーパーテストの難易度は高くないですが、時間がシビアなので過去問などで対策を積んでおきましょう。
運動テスト・集団テストでは指示や説明を聞いて適切に行動できるか、他の子と関わる上で必要な社会性などが身についているか、などが見られています。

家庭内での対策に不安がある方は、合格実績のある私立小学校専門塾などで対策していきましょう。
小学校受験対策で長い歴史のあるTAMでは、ご家庭でできる単元別の教材をご用意しています。

苦手に合わせて1単元から対策できますので、ぜひご家庭での対策にご利用ください。