小学校受験の面接試験とは?重視されるポイントやマナーを解説!

私立小学校受験につきものなのが「面接試験」。私立小学校受験において、面接試験の形式は主に4種類あります。

  • お子さんのみの面接
  • 保護者のみの面接
  • お子さんと保護者の面接
  • 集団面接

その形式によって対策すべき点は異なりますが、大まかな区分として「お子さんへの質問」と「保護者への質問」について、そのポイントを分けて対策を考えなければなりません。

場合によってはお子さんだけでなく、保護者の教育への姿勢も重視されています。
保護者としても、面接試験における学校側のねらいを理解して対策すれば、志望度の高さを伝えるチャンスでもあります。

この記事では小学校受験に実績あるTAMが、面接試験において対策すべきポイントを解説していきます。

面接試験の内容解説!形式や重視されることは?

面接試験の時間はおよそ15分程度であることが多いです。
形式によって様々ですが、お子さんと保護者で以下の要素が見られています。

(1)お子さんの面接ポイント

①コミュニケーション能力

目を見てハキハキと大きな声で話したり、素直に質問に答えようとしたりする姿勢が求められます。

②理解力

面接官の質問をきちんと聞いて理解し、適切に答える力を見られています。

③思考力

「自分ならどうするか」など、自分自身の答えを考える主体性もチェックされています。

(2)保護者の面接ポイント

①教育方針

家庭での教育方針が、志望する小学校の教育方針と合っているかを見られています。

②家庭環境

お子さんへの家庭環境の影響や、保護者の教育への関わり方などはよく質問されます。
どういう家庭であるかを面接官は見ているので、特にしつけについては具体的に答えましょう。

また、お子さんの家庭での様子や園生活での様子、長所・短所についても質問されます。
短所は決めつけるような言葉や言い回しは避け、改善したい点として成長過程を見守っていきたい、といった前向きな回答が望ましいです。

③志望理由

志望校の教育方針やカリキュラムへの共感など、志望理由がハッキリしていることや、お子さんを入学させたいという保護者の意欲などもチェックされています。

また、学校の設備や先生方の熱心な指導、在校生の様子などを理解して志望校を選んだ旨が伝わると好印象です。

④お子さんの回答

お子さんは、普段の家庭での様子などを素直に答えます。そのお子さんの返答から、家庭での教育の背景などを読み取っています。

面接形式の4分類

(1)お子さんのみの面接

お子さんに対する頻出の質問は以下の3つです。

  1. お子さん自身について
  2. 一般常識について
  3. 道徳判断について

お子さんのみの面接では、保護者がいないために不安になることもあります。

プレッシャーのかかる中で、一人でもきちんと質問に対してスムーズに受け答えができるか、ハキハキとした返答であるか、といった点が特に重要です。

(2)保護者のみの面接

保護者への質問で頻出の内容は以下の3つです。

  1. 志望理由
  2. 家庭での教育方針について
  3. 子どもの教育への意識について

保護者のみの面接では、家庭における教育方針や、その教育方針が志望校とマッチしているかといった点が重視されます。

また、保護者の片方だけでなく両親ともに軸のある教育方針や子育てに積極的に関わっていることが伝わると好印象でしょう。

(3)お子さんと保護者の面接

主な質問内容は(1)、(2)の項目と大きな違いはありません。

保護者の面接点とお子さんの面接点とを分けて評価される学校がほとんどです。

まずはお子さんの態度について対策をしておきましょう。
お子さん一人の面接と違い、保護者といることでお子さんの気が緩んでしまったり、反対に保護者の目を気にしてしまったりするなどの可能性があります。

いずれも面接官の質問にスムーズに答えられない要因にもなるため、親子面接の対策をしておくのが望ましいでしょう。

また、お子さんが返答に言いよどんだり、上手く答えられないときは、保護者のフォローも重要なポイントです。
難しい質問に対して、保護者が口を挟むのではなく、お子さんの主体性を促すようなサポートがいいでしょう。

子どもが口ごもった時に、すぐに保護者が口を挟んだり視線を向け手助けしたりすると、過干渉・過保護と思われてしまうため注意が必要です。

(4)集団面接

他家族と合同で行われる集団面接が行われることもあります。

周りの家族がしっかりとした受け答えをしているために、保護者もプレッシャーに感じることもあるかもしれません。
周囲と比べるのではなく、一貫して自分たちらしく振る舞うことが大切です。

集団面接では、全体への質問がされる場合もあります。これに対しては積極的な発言で、アピールするチャンスを勝ち取ることが望ましいでしょう。

面接試験の際に気をつけておくべき4つのポイント

(ポイント1)服装

厳密な決まりはありませんが、志望する学校の校風や雰囲気に合った装いができていればOKです。
具体的な例を以下に見ていきます。

【父親】

濃紺など、派手ではない色のスーツが望ましいです。

ネクタイも青系統、または紺色が無難です。学校ではスリッパに履き替えることが多いので、靴下はブラックがよいでしょう。
高級な品を身につける必要はありませんが、清潔感のある装いが大切になります。

【母親】

紺色など無難な色のスーツ、ワンピースでもOK

スカートの丈は、座ったときに膝が見えない程度の長さのものを選びましょう。髪形をすっきり整えると、清潔感のある印象になります。

【お子さん】

落ち着いた雰囲気のものが望ましいです。

ブランド物の場合、ロゴなどが見えてしまうものは好ましくありません。足元は無地の白ソックスに革靴を選びます。
保護者が着用する服のカラーと合わせるなどもいいでしょう。

特に男の子であれば、ポロシャツ・ニットベスト・ハーフパンツがメジャーな服装です。
女の子であれば、フリルなどの派手な装飾を避けます。ブラウス・ジャンパースカートなどが好ましいです。

キャラクターのついている靴や靴下などは、他の子を含め興味を持つと、おしゃべりのきっかけになることもあるため避けましょう。

また、女の子の場合は行動観察などに備え、動きやすい服装を着替えとして持っておくとよいでしょう。
行動観察用としては、ポロシャツ・ニットベスト・キュロットなどが無難です。

(ポイント2)マナー

一般的な面接と同様に、明るい表情と、落ち着いた態度が好ましいです。
お子さんはハキハキと大きな声で、挨拶や返事を心がけましょう。

反対にキョロキョロと落ち着かなかったり、終始俯いていたりといった態度は良い印象を与えません。

(ポイント3)保護者の教育方針

多くの小学校で尋ねられるのが、保護者の教育方針です。
これにより「お子さんの主体性を尊重しているか」「明確な教育方針があるか」といった点を確認しているようです。

保護者の一方的な押しつけではなく、お子さんが一緒に考えたり、それを元に行動できるかなど、家庭での教育の様子が面接の中ではチェックされています。

教育方針は、学校の教育方針と同じで、将来どんな子になって欲しいか、どう育ってほしいかということが問われています。学校の教育方針と一致していることが望ましいです。

そのために、躾は何を大切にして育てているかを聞かれます。躾についての質問は、具体的に答える必要があります。
例:挨拶はコミュニケーションとして大切なので、親として率先して見せるようにしています、など。

家庭によっては、保護者(父母)で仕事と家事の役割を完全に分担をされている場合もあると思います。
しかし一方が「仕事が忙しくて、子どもと関わる機会が少ない」といったような、子育てに参加する意欲が感じられないような発言は避けましょう。

(評価ポイント4)学校の教育方針に共感する点

学校の教育方針について、志望する学校のホームページに掲載されている点は最低限把握するのは必須事項。
その上で、志望動機として教育方針のどの部分に惹かれたのかを明確に回答できると好印象となるでしょう。

例:同志社小学校
礼拝や、聖書を学ぶ機会がカリキュラムに含まれるため、あらかじめそのような方針を把握しておく必要があります。
また「宗教教育を小学校からすることについてどう思いますか」といったオープンクエスチョンが問われる場合もありますので、学校の方針に関する質問を想定しておく事も重要です。

また、京都の学校では英語やロボットについてなどの体験学習が多くあるので、参加して実際の教育に触れる機会をつくるとよいでしょう。

また、ありがちなミスが「願書に書いた志望動機と面接時の発言が違ってしまう」ことです。
これが起きないよう、願書の内容はコピーを取るなどして、あとから確認できるようにしておきましょう。

押さえておきたい!面接試験の主な質問事項と回答のポイント!

(1)お子さんに対する質問例

①幼稚園・保育園名、クラス・組の名前を教えてください

面接試験では、お子さんが自分のことについて答えられるかを見る質問が頻出します。
これは、毎日の生活でのことなので、覇気を持って受け答えできるようにしておきましょう。

また、幼稚園の先生の名前や、お友達の名前を問われることもあります。

②お友達のおもちゃを壊してしまったら、どうしますか

こちらは、普段の家庭教育を見る質問です。仲の良いお友達と喧嘩になった場合などに、どのように考え、行動するかを見られます。

望ましい回答例として、まずは子どもが自分から「ごめんなさい」と謝ることができるか、などが挙げられます。

また、自分が壊してしまったことに対して、どうするかを自分で考えて回答するなど、解決しようとする姿勢が見えるかが評価のポイントです。

そのため「お母さんに相談します」といった回答は、保護者に任せきりで主体性がない、と評価されてしまう可能性があります。
自己判断ができるよう普段の生活から心がけて対応することが重要です。

③お母さんに叱られるのは、どんなときですか

こちらも、家庭での様子が見られる質問です。
お子さんは特に印象的だったことを素直に答えますから、これは普段のお子さんへの保護者の接し方が見られる「保護者をテストするための質問」とも言えるでしょう。

望ましい回答例としては、道徳的なマナーなど、守るべきルールやあらかじめ約束したことが守れないとき、などが挙げられます。
「なぜ叱られているか」をお子さんが理解・納得していることが重要なポイントです。

ふさわしくない回答例としては、宿題でミスをしたときや、習い事でミスをしたとき、などがあります。努力したことでも、結果が伴わないことで叱られてしまうと、ミスを恐れて消極的になってしまいます。

また、叱るときに保護者は感情的でない、時と場合によってルールが変わったりしない、なども注意すべきポイントです。

(2)保護者に対する質問例

①志望理由を教えてください

志望する小学校の教育方針を踏まえて伝えましょう。
なぜこの学校を選んだのかを伝えることは、お子さんをぜひ入学させたい、という熱意を伝えるアピールポイントにもなります。

志望理由のポイントは以下の5つになりますので、ぜひ参考にしてください。

受験校の

  1. 教育方針を理解しているか
  2. 教育方針からくるカリキュラムを理解しているか
  3. カリキュラムからくる設備の充実を理解しているか
  4. 先生方の熱心なご指導を理解しているか
  5. 在校生の様子を理解しているか

志望理由を簡潔にまとめるほか、学校説明会などに出席し、教育方針や校風などの理解を深めておくとよいでしょう。
また、家庭の教育方針と照らし合わせ、賛同するポイントなどを具体的に返答できるとさらに好印象です。

②お子さんは食べ物の好き嫌いがありますか

こちらはお子さんへの観察力を見ているだけでなく、普段どのような教育をしているかという背景まで見ています。

お子さんの好き嫌いに対してどのようなしつけをしているか、具体的に答えるようにしましょう。
例:食べ物を粗末にしないことを日頃から指導している、など

家庭教育の改善や工夫、それらのお子さんへの影響などは、普段の生活から意識しておく必要があります。

③お子さんが学校にいるとき、災害がおきたらどうしますか

お子さんへの質問例にも挙げたように、自分の住所や電話番号などをすらすらと言えるかは面接試験でよく問われます。
これは、万が一の災害などに備えられているかをチェックしているのです。

そしてお子さんだけでなく、保護者もそのような不測の事態に備えているかについて問われます。

  • 緊急時のためにどのように対策しているか
  • 家族間でそれが共有できているか
  • お子さんにはどのように伝えているか
  • あるいはどのように伝わっているか

などの質問については対策をしておきましょう。

面接試験の対策のポイントは?

質問例でも挙げたように、面接試験のためだけに対策するだけでなく、普段の生活からお子さんへの教育について意識しておくことが必要です。

特にお子さんへの質問は、深く掘り下げた質問を重ねて、普段の家庭での教育のあり方と、子どもの本音を聞こうとしています。
そのため、普段からの教育への意識が重要なポイントになることは、言うまでもありません。

面接試験本番では様々な質問が行われますから、場合によってはお子さんが、想定外の質問に答えられなくなる、という可能性もあります。そのようなときは、誤魔化そうとするよりも「わかりません」と、素直に答えられるとまた印象が変わるでしょう。

あるいは、面接対策のために質問例に備えた答えを丸暗記しようとすると、本番では緊張してしまい、頭が真っ白になってしまうこともあります。対策には暗記よりも、本番を見すえた練習を繰り返すことが重要です。

【まとめ】小学校受験の面接は時間をかけて対策を

私立小学校受験の面接試験形式は、以下の4種類です。

  • お子さんのみの面接
  • 保護者のみの面接
  • お子さんと保護者の面接
  • 集団面接

志望する小学校によって形式は異なります。
形式があらかじめ公開されている学校もありますので、把握しておくと有利になるでしょう。

(一例)

  • 洛南小学校→保護者のみの面接
  • 京都女子附属小学校:保護者1人とお子さん1人 など
    ※あるいは、2人の面接官に加え、筆記の先生がいるといった場合もあります。

面接試験では以下の4つのポイントを押さえておきましょう。

  • 服装やマナー
  • 志望理由
  • 家庭教育
  • どんなお子さんか

質問の形式と、重視されるポイントについては入念に備え、かつ日頃の生活から意識した対策をしておきましょう。

面接試験で尋ねられるオープンクエスチョンに対応できるよう、日頃から考える力を養うような質問を意識することが大切です。
ご家庭で対策をするにはどうすればよいか、または志望する小学校の試験傾向などによって、どのように対策をしていくかは大きな課題です。

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この記事を書いた人

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たむろぐ編集部

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