白百合学園小学校はどんな学校?学校生活から入試情報まで徹底解説!

白百合学園小学校は、キリスト教の精神に根ざした教育を行う、東京都千代田区の私立女子小学校です。
1881年の創立以来、140年以上の長い伝統を持ちながら、国際教育・ICT教育など今後の社会での活躍を見据えた最先端のカリキュラムを提供しています。

卒業後はほとんどの生徒が内部進学先の白百合学園中学校・高等学校へと進学します。
白百合学園高等学校は、東大をはじめとする難関大学合格者を多数輩出している進学校です。

当記事では、そんな白百合学園小学校の学校生活から入試対策まで、関西圏の私立小学校入試に実績のあるTAMが解説していきます。

白百合学園小学校の基本情報

■住所
〒102-8185
東京都千代田区九段北二丁目4番1号

TEL:03-3234-6662

公式サイト:白百合学園小学校

交通情報

  • JR「飯田橋駅」から徒歩10分
  • 地下鉄「飯田橋駅」から徒歩10分
  • 地下鉄「九段下駅」から徒歩10分

基本情報

経営学校法人 白百合学園
共学・男女別女子のみ
生徒数1学年約120名
制服あり
給食なし
※2年生以上はお弁当注文可

教育理念・教育方針

白百合学園小学校は「従順〜すすんでみがこう正しい心〜」「愛徳〜すすんで親切よろこんで〜」「勤勉〜すすんでなんでもいっしょうけんめいに〜」を校訓に掲げています。

3つの校訓は、それぞれ以下のように意味づけられています。

【従順~すすんでみがこう正しい心~】

  • 良心の声に耳を傾け、素直に従い、よりよいものを求めるよろこびを味わう

【愛徳~すすんで親切よろこんで~】

  • まわりの人の気持ちを受け入れ、お互いに大切にし合い、他の人のために尽くせるよろこびを味わう

【勤勉~すすんでなんでもいっしょうけんめいに~】

  • 自分から行動にうつし、与えられた力をみがきあげ、役立てるよろこびを味わう

これらキリスト教の理念に基づいた校訓を根底に、社会性・協調性に富み、今後の社会を担っていく女性の育成を目指しています。

白百合学園小学校の授業カリキュラム

科目概要

白百合学園小学校では、国語・算数・理科・社会の主要4教科に加えて、「宗教」「生活科」「音楽」「図工」「家庭科」「体育」「フランス語」「英語」「総合」と豊富な副教科が用意されています。

学級担任は主に国語算数を担当し、その他の授業は科目ごとに専科担任がクラス・学年の授業を行います。
これにより、全ての科目で質の高い授業を実現しています。

また、学級担任に加えて各学年2〜3人の副担任が就き、生徒一人ひとりに目を配っているほか、教師間で日々協議を繰り返しながら、授業や学校生活の向上を目指しています。

・宗教

4年生では聖書を題材に、この世の始まりからカトリックについて学びます。
神の存在や日々の生活への感謝などを意識しながら、慈愛の心を育むことを目指しています。

・生活科

体験的な活動を通して、身の周りの人や環境に感謝し大切にすることを目的としています。
朝顔など植物の栽培や小さな生き物の飼育、田植え・稲刈りなど、たくさんのカリキュラムが用意されています。

・総合

総合では、生徒の自主性を重んじて、他の子と協力する学習を進めています。

後述の「しらゆりタイム」では、学年を超えた活動を通して、リーダーシップや思いやりの心を育んでいきます。
「情報教育」では最先端のICT教育を通して、今後の社会に必要な知識や技能を身につけることを目指しています。

ICT教育

PC教室では、一人一台PCが割り当てられ、最新のIT機器を存分に活用しながら、授業を進めていきます。

また、3〜6年生は一人一台のiPad所持することで、データの共有や発表を効率良く行ったり、自主的に調べ学習を進めて、様々なことに興味・関心を持てる環境が整っています。

国際教育

白百合学園小学校では、英語に加えて、修道女たちの精神を受け継ぐ目的でフランス語教育も実施しています。

フランス語は1年生から、英語は3年生から週に1時間ずつ設け、ネイティブ講師と日本人講師によるチームティーチング制をとっています。

また、交流先の学校との異文化交流や宗教行事など、学んだ外国語を使う機会も豊富にあります。
言語学習を通して楽しみながら異なる生活・文化に触れ、他の人を尊重できる人を育てることを目指しています。

宗教教育

白百合学園小学校ではキリスト教の精神に基づき、朝礼・終礼・食事の際に祈りをささげます。
祈りを通して、何気ない日常に感謝する気持ちを持てるようになることを目指しています。

また、「よろこびのミサ」「ロザリオのつどい」などの宗教行事も、たくさん開催されています。

白百合学園小学校の学校生活

たてわり活動

白百合学園では上級生・下級生のつながりを大切にしています。

たてわり活動の一環として、「しらゆりタイム」というグループ活動を実施しています。
1学期は交流会、2学期は奉仕活動、3年生はお別れ会と1年間通して同じメンバーで活動していきます。
6年生をリーダーとして、下級生が楽しめる遊びやゲームを自分たちで話し合い、実行します。

他には、最寄り駅から学校までの道のりを、上級生が下級生と一緒に投稿する様子も見受けられ、学校生活の色んな部分で学年を超えたつながりが見られます。入学したての1年生にとっても楽しみや安心感がありますね。

クラブ活動・委員会活動

4年生〜6年生はクラブ活動、5・6年生はさらに委員会活動も行い、学年を超えたたてわりならではの学びを実現しています。

所属できるクラブ・委員会はたくさんあり、自分の興味に合ったものを選べますね。

白百合学園小学校の年間行事

白百合学園小学校の進学情報

進学先について

ほぼ全生徒が内部試験を経て白百合学園中学校へ進学しています。

また、中学校の卒業生のほとんどが白百合学園高等学校へと進学します。
白百合学園高等学校は、東大や早慶など難関国立・私立大学合格者を多数輩出しており、進学実績も十分です。

白百合学園小学校の学費

初年度にかかる学費は約1,300,000円で、内訳は以下の通りです。

  • 検定料 30,000円
  • 入学金 400,000円
  • 授業料 474,000円
  • 施設維持費 336,000円
  • その他の費用 約60,000円


白百合学園小学校の入試を徹底対策!

ここからは、白百合学園小学校の入試情報について解説していきます。
実際に過去問題集を確認しての気づきや要点をまとめていますので、白百合学園小学校の入試を検討している方はぜひご覧ください。

また、白百合学園小学校の入試科目の概要は、募集要項で確認できます。
公式サイトにてチェックしてみてください。

白百合学園小学校

白百合学園小学校の入試情報

入試日程

白百合学園小学校 入試日程

白百合学園小学校の入学試験は、例年10月下旬〜11月上旬に行われます。

定員・倍率

白百合学園小学校の定員は約60名です。

白百合学園小学校は女子小学校なので、女子のみの募集になります。

詳しい入試結果は公表されていませんが、倍率は例年5〜6倍程度となっています。

入試の概要について

白百合学園小学校の入学試験は、面接・ペーパーテスト・個別テスト・集団テストに分かれています。

面接

面接は試験日前の10月下旬に行われます。

①面接

親子面接で、例年面接官は3人です。
特徴は、お子さんへの質問がとても多く、質問も一つのことを深掘りする形式で進んでいくことです。

例えば、「お父さんやお母さんとはどんな遊びをしますか。」という質問に〇〇と答えると「〇〇のどんなところが楽しいですか。」などと次々聞かれていきます。
質問のテンポも早いので、焦ったり戸惑ったりするお子さんも多かったようです。

日頃から親子で何かテーマを持って会話をし、意見を考えて自分の言葉で述べる会話力を養っておきましょう。

一方、保護者に対する質問は淡白で、子育てに対する考え方志望動機などの質問のみになります。
家庭の方針を明確にして、学校側の価値観とある程度一致していれば問題ないでしょう。

以下にお子さん・保護者向けの質問例を載せていますので、参考にしながら対策をしておきましょう。

【質問例】
<お子さん>
・幼稚園のクラスは何組ですか、また他に何組がありますか。
・幼稚園で好きな遊びは何ですか、その遊びのどんなところが好きですか。
・お父さんやお母さんとはどんな遊びをしますか、その遊びのどんなところが楽しいですか
・お母さんの料理で好きなものは何ですか。
・小学校に入ったらしたいことは何ですか。

<父親>
・志望理由を教えてください。
・キリスト教教育に対してどのように考えていますか。
・お子さんには将来どのような女性に成長してほしいと考えていますか。
・家庭での役割分担はありますか。

<母親>
・本校のどのような教育理念がお子さんに合っていると考えてますか。
・私立女子校のどのような点が良いと考えていますか。
・最近お子さんの成長を感じたのはどのような点ですか。
・育児で楽しいと感じるのはどのようなときですか、また辛いと感じたことはありますか。

試験

試験は11月上旬に行われます。

②ペーパーテスト

白百合学園小学校のペーパーテストは試験時間が短く分量も10枚前後と少なくありません。
問題自体の難易度はさほど高くありませんが、スピードが必要なので、入念に対策を行う必要があります。

出題分野は「話の内容理解」「数」「図形」「言語」などが頻出です。

<話の内容理解 出題例>
1. お話に出てきた情報を基に、お話の季節を推測する
2. お話に出てきた人とものを、関係するもの同士結ぶ

「話の内容理解」は毎年必ず出題されています。
全体における割合も大きく、最も重要視されていると言っても過言ではないので、演習を積んで、落ち着いてお話を聞く力を身につけておきたいです。
また、お話の至る所に情報が散りばめられているので、整理して記憶する力も必要です。

近年は、お話に出てきた食べ物から季節を推測する問題が頻出です。
内容理解に加えて、一般的な知識も要するので、日頃の生活の中で季節や時期に関連するものを意識づけておけると安心ですね。

<数 出題例>
1. 4人の人が持っているミカンとリンゴの数を足し引きする問題
2. イラストの中で特定のもの同士の数の差を答える問題

イラストを参考にものの数を足し引きする問題が頻出です。

足し引きの問題ですが、足し算・引き算をしようとしないのがポイントです。
数字で答えることはなく、「~~の数だけ〇を書いて下さい」という形式です。

お父さんとお母さんの持っているミカンの数を例にとってみましょう。
足し算であれば、まずお父さんのミカンの数の〇を書いて、続けてお母さんのミカンの数の〇を書きます。
逆に、引き算であれば、お父さんとお母さんのミカンを交互に消していって、あまったミカンの数だけ〇を書きます。

計算能力が求められているわけではなく、問題をどのように解釈し、どのように処理していくのかが問われています。

<図形 出題例>
1. 並んでいる図形から、規則性を見つけ、空欄を埋める
2. パズルを埋めるのに必要なパーツを選ぶ
3. お題の影絵を作っている必要なパーツを選ぶ

「図形」の問題は、「図形系列」「重ね図形」など出題形式が様々です。

制限時間は比較的長めなので、焦らず丁寧に順を追って考える練習を積んでおきましょう。

図形系列であれば「一番少ないものに注目する」、重ね図形であれば「特徴的な箇所を探す」などある程度の方針を提示してあげられると、考え方が身につきやすいです。

<言語 出題例>
1. 3つの絵の名前に共通する文字を見つけ、その音が位置する〇を塗る
2. いくつかのお題の真ん中の文字を組み合わせてできる言葉を選ぶ

「言語」分野では「一音一文字」の問題が頻出です。

過去問での対策も重要ですが、しりとりなど言葉遊びを通して、音⇔文字を変換できるようにしておくと安心ですね。

③個別テスト

個別テストは、試験官の先生と1対1で行われます。

出題内容は「記憶」「手先の巧緻性」「言語」などが頻出です。

<記憶 出題例>
1. 方眼に描かれたイラストを覚えて、同じ場所にイラストを並べる
2. 一枚の絵を覚えて、その後虫食いになっている箇所を埋める

「記憶」はほぼ毎年出題されています。
場所や一場面の記憶、間違い探し、空所補完など、出題形式は様々です。

「記憶」の問題は多くの学校で出題されているので、他校の過去問も併せてたくさんのパターンに慣れておくとよいでしょう。

<手先の巧緻性 出題例>
1. 箸を正しく使って、ものを移動する
2. モールを使って好きなものを作り、作ったものを発表する

個別テストの中では比較的簡単な部類ですが、正しい箸の持ち方などは生活の中で習得するしかありません。
ものの使い方が間違っている場合は、その都度正しく矯正しましょう。

また、好きなものを作る・描くなど、お題を自分で考えるパターンもあります。
遊びの中で、あえて好きなものを作る・描くという経験を積んで、指先の使い方と共に自主性を身につけておけると安心です。

<言語 出題例>
1. 与えられた状況における想像を発表する
2. お題のものを数える際の単位を分類する

1. の「想像発表」はあまり他に類を見ない珍しい形式で、想像力が試されます。
何かしらの状況を与えられて、それに関する質問と理由を自分で考えて発表します。

一例として、「赤いトンネルと青いトンネルがあり、赤いトンネルをくぐると大きく、青いトンネルをくぐると小さくなる」という状況の元で、「どちらのトンネルをくぐりたいか、またなぜそう思うのか」を答える問題が出題されました。

このように現実にはあり得ないような状況設定もされるので、日頃から色々なことに「どう思う?」と問いかけ、想像力を養っておく必要があります。
自分の言葉で述べる形式なので、考えたことを実際に話してもらうのがよいでしょう。

また、2. のように一般常識もふまえた問題も出題されるので、ものの数え方などは日常生活の中で正しく覚えていきましょう。

④集団テスト

集団テストでは、行動観察を通して、指示を正しく理解できるか他の子とうまく関われるか、などが見られます。

このような「協調性」を重要視している点からも、学年を超えて生徒間のつながりを大切にする教育理念が見えます。

2022年度は新型コロナウイルスの影響で、他の子と相談しながら進める課題はなくなりましたが、背比べや複数人での手遊びなど、やはり他者との関わりを意識した課題が課されました。

今後は再び相談や話し合いを介した課題が課される可能性もあるので、他者とコミュニケーションをとる経験はたくさん積んでおけると安心でしょう。

まとめ

白百合学園小学校は、長い歴史を持ちながら、国際教育ICT教育など最先端の教育を受けられるカトリックの私立女子小学校です。
内部進学により、高い進学実績を誇る白百合学園中学校・高等学校へと進める点も魅力の一つです。

生活面では、キリスト教の理念に基づいて、学年を超えた生徒間のつながりを大切にしており、リーダーシップや思いやりの心を持った女性を育むことを目指しています。

入学試験は面接・ペーパーテスト・個別テスト・集団テストが課されます。

面接ではお子さんへの質問が多くテンポも早いので、自主性一定の会話力が求められています。

ペーパーテストは難易度こそ高くないものの、制限時間が短く、スピードが求められるので、入念な対策が必要です。
個別テスト・集団テストは、学校ならでは問題形式・傾向があるので、過去問を活用しながら演習を積むと良いでしょう。

家庭内での対策に不安がある方は、合格実績のある私立小学校専門塾などで対策していきましょう。
苦手に合わせて1単元から対策できますので、ぜひご家庭での対策にご利用ください。

この記事を書いた人

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たむろぐ編集部

成基の幼児教育TAMは、京都・大阪北摂を中心に、小学校受験対策を指導する幼児教室です。

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